連続波とパルス波
パルス波と連続波音波についてもう一度おさらいしておこう。音波は媒質を振動して伝わる縦波であることは述べた。縦波は疎密波(弾性波)とも呼ばれ、超音波の伝搬時、媒質に密度が高い部分と低い(疎な)部分ができる。これをサインカーブで表すと密な部分は山に、疎な部分は谷として表わされる。
そしてこの音波であるが、超音波診断では連続波とパルス波を使用する。連続波は文字通り連続的に超音波を発信し続ける方法で、パルス波は断続的に超音波を出す方法である。
どう違うのか?
パルス波を利用すると超音波を発信した時間と受信した時間を計測できるため、反射源の位置を特定できる。つまり、反射源の距離情報を得ることが可能となる。
連続波は発信と受信を別の素子によって行い、常に送受信を続けている。そのため、反射源における反射強度は得ることができるが時間軸を特定できない。これは超音波ビーム上にある反射源をすべて同時に表示してしまうということである。
超音波診断におけるBモード表示やカラードプラでは任意の範囲を2次元的に画像化する必要があることから、時間(深さ)の情報を得ることが必須である。また、パルスドプラにおいてもBモードをガイドとして特定の位置における血流速度を計測するためのものであるから、パルス波を用いなければならないのは言うまでもない。
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