超音波の基礎原理を学ぼう!

超音波の基礎知識

超音波だけでなく、音波は発生源が振動することによって生じる。人の声は声帯を震わせることにより大気を振動して発生する。超音波診断装置の場合は圧電素子(圧電セラミックスを用いるケースが多い)と呼ばれるトランスデューサに電圧を印加することにより振動を発生する。

 

超音波の伝搬には媒質が必要である。光などは真空中でも進むことが出来るが、音波は媒質の存在しない真空中で伝搬することが出来ない。また、超音波は弾性波(疎密波)であり、いわゆる縦波として媒質中を伝搬する。

縦波

参考サイト

 

超音波の伝搬速度は媒質により変化する。例えば大気中では約340m/秒で伝搬することが知られているが、水中では約1500m/秒で進む。一般的に超音波の伝搬速度は媒質の密度が高いほど速いことが多く、「気体<液体<固体」の順で伝搬効率が高くなる傾向にある。

 

超音波の伝搬効率には媒体による音速の違いや音響インピーダンス特性、媒質粒子、周波数や超音波の持つ減衰等の特性が大きく関与する。超音波の伝搬する媒体により伝搬速度が異なったり、到達できる距離なども変化してくる。


医用超音波検査

医療における超音波診断では、超音波の反射特性や指向性、ドップラー効果等を活かして生体内の臓器や組織構造を画像化し、正常な構造から病的な変化がみられる箇所がないかを検査・診断に利用している。

 

超音波の反射特性やドップラー効果は生体内の画像化に大きく寄与するが、減衰や拡散、散乱等の特性やアーチファクトの出現は生体内構造を精密に可視化するにあたって不利益をもたらす原因ともなり得るため、超音波検査装置内では様々な超音波制御の仕組みによって高分解な画像を得る工夫がされている。

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