超音波の基礎原理を学ぼう!

周波数

音波

周波数は周期の逆数で表される。つまり、媒体(媒質)が「1秒間に何回振動するか?」である。周波数の単位はHz(ヘルツ)が用いられ、周期の大きい超音波は周波数が低く、周期の小さい超音波は周波数が高い。

 

超音波診断で用いる周波数域はおよそ2MHz〜20MHz程度である。一般に周波数が高いほど距離分解能が高いが、減衰は逆に大きい。つまり、高周波数プローブから出される超音波は鮮明な画像を得やすいが、到達距離は短くなってしまう。


波長

波長は超音波が伝搬する媒体の音速により決定され、長さ(m)で表される。伝搬する超音波の周波数は同じであっても、音速の異なる媒体では波長は長くなったり短くなったりと変化する。また媒質の温度によっても波長は変化する。周波数の高い音波は波長が短く、周波数の低い音波は波長が長い。

帯域幅

帯域幅は周波数の範囲を指し一般にヘルツで示される。信号の帯域幅は、そのパラメータ(振幅や位相)が時間と共に変化する早さの尺度で、帯域幅が大きければ信号のパラメータは早く変化する。最大値の半分となる範囲(約 -3 dB )を使うことが多い。帯域幅を中心周波数で割った値を比帯域といい、その逆数がQファクターと呼ばれる。

 

※超音波診断装置では、距離分解能が求められることからパルス信号を用いる。連続波と異なりパルス信号は周波数帯域が生じ、短いパルス程、帯域の幅は広くなる。帯域幅や比帯域、Q値、中心周波数等をみることでプローブの持つ周波数特性や分解能等の性能を推し量ることができる。

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