超音波の基礎原理を学ぼう!

超音波とは?

エコーロケーション

超音波を利用して生活する生物でよく知られているのがコウモリやイルカ、クジラなどである。これらの生物はエコーロケーションや会話などの目的に超音波を利用していると考えられている。

 

一般的に超音波とは「人が聴くことが出来ない領域の音波」を指す。一般的に人の可聴域は20〜20000Hzといわれることから、20000Hzを超える周波数を持つ音波が超音波ということになる。ただし、人の可聴域であっても工業用途等で用いられる「聞くことを目的としない音波」を超音波ということもある。

 


医療への応用

超音波はご存知の通り魚群探知機やレーダー、センサー、洗浄等、人間界においても頻繁に利用されているが、医療の分野においても様々な場面で活躍している。例えば顕微鏡や血流計、骨密度測定、画像診断などの検査目的としての利用や、メス、結石の粉砕等の治療、医療器具の洗浄にも用いられている。

画像診断

医療における画像診断には、X線を利用したいわゆるレントゲンやCT、磁場を利用したMRIなどがあるが、超音波診断では、超音波の特性を利用して生体内をグレースケール(BモードやMモード)やカラー等で画像化し、その形態的変化等から疾病の発見や程度の把握、治療効果の判定などに用いられる。超音波診断では放射線を使わない、そして装置が小型であることにより、繰り返し検査が可能なことや場所を限定しない、低コスト等のメリットが挙げられる。

心エコー画像

音波の基礎知識記事一覧

超音波の基礎知識

超音波だけでなく、音波は発生源が振動することによって生じる。人の声は声帯を震わせることにより大気を振動して発生する。超音波診断装置の場合は圧電素子(圧電セラミックスを用いるケースが多い)と呼ばれるトランスデューサに電圧を印加することにより振動を発生する。超音波の伝搬には媒質が必要である。光などは真空...

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超音波の周波数と波長

周波数は周期の逆数で表される。つまり、媒体(媒質)が「1秒間に何回振動するか?」である。周波数の単位はHz(ヘルツ)が用いられ、周期の大きい超音波は周波数が低く、周期の小さい超音波は周波数が高い。超音波診断で用いる周波数域はおよそ2MHz〜20MHz程度である。一般に周波数が高いほど距離分解能が高い...

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パルス反射法

超音波診断において画像の作成には「超音波の反射」を利用している。「やまびこ」のように音波が反射して返って来る性質を利用していることから超音波診断を山彦を意味するエコー(:echo ギリシャ神話のナルキッソスの話に登場するニンフ・エコーが語源)とも呼んだりする。

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連続波とパルス波

パルス波と連続波音波についてもう一度おさらいしておこう。音波は媒質を振動して伝わる縦波であることは述べた。縦波は疎密波(弾性波)とも呼ばれ、超音波の伝搬時、媒質に密度が高い部分と低い(疎な)部分ができる。これをサインカーブで表すと密な部分は山に、疎な部分は谷として表わされる。そしてこの音波であるが、...

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画像のモード(B・Mモード)

現在エコーの画像表示方法(表示モード)には数種類あり、検査の目的に合わせて選択することが必要である。おもな画像表示方法(表示モード)にはAモード・Bモード・Mモード・Cモード・ドプラモードなどがある。主に使用される表示には、Bモード・Mモード・ドプラモードがある。

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